宮島の鹿の給餌活動の歴史的背景と私たちにできること

宮島の鹿と給餌活動について
こちらは宮島の鹿たちに給餌をしている風景です。宮島では、古くから「鹿は神の使い」として大切にされ、観光にも利用されてきました。人々は鹿に餌を与え、共に暮らしてきたのです。

しかし、2008年に状況が変わりました。行政が「鹿は野生動物である」と主張し始め、山には十分な餌があるとして「給餌禁止のお願い」を出したのです。この頃、観光客が鹿に与えていた「鹿せんべい」も廃止されました。


宮島の土地と鹿の現状
宮島は花崗岩が隆起してできた島で、土壌の塩分濃度が高い特徴があります。そのため、鹿が食べられる植物がほとんど生えません。代わりに、シダや梻(しきみ)、榊(さかき)、アセビなど、塩害に強い植物ばかり自生しています。



昔の人々はこの環境を理解し、「鹿桶(しかおけ)」と呼ばれる容器を家の前に設置し、野菜や果物の皮を鹿に与えながら、鹿と共存してきました。

しかし、給餌禁止のお願いが出されてから、宮島ではガリガリに痩せて困窮している鹿たちが目立つようになりました。その姿を見かねた一人の方が新聞に投書し、それを読んで心を痛めた人たちが、ボランティアで鹿への給餌活動を始めたのです。


給餌活動の歴史と課題
宮島では、多くの方が給餌活動を行っていましたが、一方でそれを非難する住民もいました。残念ながら、このような批判はいまだに続いています。

過去にはNPOが設立されたこともありましたが、さまざまな事情により活動を継続することができなくなりました。家庭の事情や精神的・経済的・時間的な負担から、給餌活動を辞める方も多かったのです。

そんな中、ずっと給餌活動を続けておられるのが米田ご夫妻です。また全国にこの活動を支えてくださる支援者様がおられます。彼らの並々ならぬ努力によって、鹿たちは今日も生きることが出来ているのです。


私たちにできること
この問題を解決するためには、多くの方がこの現状について知り、周囲に広め、行政に声を届けることが必要です。この国は国民主権のもとで成り立っており、行政は市民のためにあるべきものです。

大勢の声が集まれば、行政も動かざるを得ません。この情報を共有していただき、一緒に行動を起こしていただければ幸いです。どうぞ、宮島の鹿たちの未来のために力を貸してください。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です